弘前大学技術
整理番号:K23-023
線虫の変異型人工RNA
線虫の成長及び産卵開始を遅延させることが可能
概要
有害線虫の防除は様々な薬剤が使用されているが、いずれも決定打になっていないことに加え、他生物にも影響を及ぼすことから環境変化の懸念が心配される。本発明者らは、線虫(C. elegans) のCeR-2a RNAに改変を加えたCeR-2aBPs RNAを作製し、作物などに被害を及ぼす線虫のみに成長・産卵を遅延させることができる核酸農薬の開発につながる成果を得た。
受精卵の孵化を確認した時間を0時として12時間おきに体長を測定したところ、 CeR-2aBPsを導入したCeR-2a欠損株(MT16939) に導入した変異株HUJ0009において顕著な体長伸長の遅延が確認できた。さらに、孵化後に産卵を開始するまでの時間を測定したところ、CeR-2aBPsの導入は産卵開始時間を遅延させることを確認した。また、CeR-2aのレスキューによって産卵開始時間は野生型と同程度に回復することが明らかとなっている。
線虫の体長測定及び産卵開始時間の結果
応用例
・有害線虫防除用の核酸農薬
関連文献
[1] 第42回日本分子生物学会年会 「線虫CeR-2a RNAの5’末端改変による産卵異常」
知的財産データ
知財関連番号 : 特開2021-061785
発明者 : 牛田 千里、増井 達信、小山 昂志
技術キーワード: 化学、農学、食品