発明から生まれた製品・サービスの事例
セルロースナノクリスタル粉末
東北大学多元物質科学研究所の有田稔彦助教は、信州大学繊維学部の荒木潤准教授との共同研究によりセルロースナノクリスタル(CNC)粉末の簡便な製造方法を開発しました。
鋼鉄より軽く強靭な性質を有するCNCは、無機材料に代わる樹脂フィラーとして期待されている新素材の一つであり、本手法により下記のような特性を示すCNCを容易且つ大量に得ることができます。
・角質化が抑制されているため、水への再分散性が優れている。
・製造過程で表面処理されないため、用途に合わせた表面修飾処理を簡便に行える。
・変性処理されていないため、生分解性や生体適合性に優れる。
現在、この手法に関する特許は東北大学と信州大学で共同出願しており(特許第6424391号)、有田稔彦助教が創業したフイラーバンク株式会社において、本特許を利用して製造されたCNC粉末が販売されております(詳細はこちらをご覧ください)。
左:CNC乾燥粉末 中央:CNC分散液 右:CNC入りPETボトル 1)
1) 京都市産業技術研究所, セルロースナノファイバー関連サンプル提供企業一覧,第9版