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リン酸八カルシウム/ゼラチン複合体(OCP/Gel)

 東北大学大学院歯学研究科(生体材料理工学分野(顎口腔機能創建学分野))の鈴木治教授らは、ニプロ株式会社様と共同で、整形外科領域の四肢骨等の骨欠損を対象とした、リン酸八カルシウム/ゼラチン複合体(OCP/Gel)からなる骨補填材の開発に成功しました(ニプロ株式会社様のニュースリリース)。
 東北大学は、1990年代始めにOCPが高い骨形成能を有することを世界で初めて報告した研究を発端として、OCP生体材料の研究領域を開拓し、OCP/Gel の材料基本型を開発しました。OCPは骨形成と吸収を担う骨芽細胞分化促進能および破骨細胞形成促進能を有することが確認された材料です。
 一般的に、骨折や治療等により骨欠損が発生した場合は、患者さん自身の骨を使用して骨組織の修復を図る「自家骨移植」が行われます。自家骨の移植は骨再生に優れますが、患者さんへの負担が大きいというデメリットがあります。そこで、近年では、人工的に製造した 「人工骨」と呼ばれる材料の使用が増加しており、移植する際の操作性の向上が望まれておりました。 このたび開発された骨補填材は、人工骨としての性能を保ちつつ、高い弾力性を付与することで、優れた操作性を実現した製品です。

図. (A)OCP/Gel および対照として用いた(B)Gel 単体の円柱状試料を示す写真(Bars=5 mm)。(C)術後4週と8週にラット大腿骨矢状断のμCT 像。OCP/Gel は対照のGel単体と比較して、優れた骨形成を示す。

出典:東北大学プレスリリース (図はHamada S et al. Clin Orthop Relat Res 480:2043, 2022より改変引用)

リン酸八カルシウム/ゼラチン複合体(OCP/Gel)

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