TOP > 発明案件 > K23-024

発明案件

弘前大学技術
整理番号:K23-024

極性のあるVOCの吸着材料

可逆的な水素結合の形成と切断が鍵

概要

 揮発性有機化合物(VOC)は、人間の健康や地球環境に悪影響を及ぼす。そのため、大気への排出を抑制する技術の開発が求められている。多孔性材料を利用するVOC吸着は、有望なVOC排出抑制技術の一つであり、これまでにさまざまな多孔性材料が開発されてきた。しかし、その多くが無極性/低極性のVOCの吸着を得意としており、極性のあるVOCを選択的に吸着する材料の開発は大きく遅れていた。本発明者らは、可逆的に形成/切断できる水素結合を用いることで、常温常圧下で、極性のあるVOCを選択的に吸着・分離できる結晶性材料を開発した。

 本発明により得られたある材料は、1)アミン類を市販の活性炭の2倍多く吸着でき(図1-1)、その際、色も変化する(図1-2)、2)アセトンや酢酸エチル等の吸着と脱離を10回以上繰り返しても吸着能力が衰えない、等といった特性を示す(図2)。

 本発明の特徴は、材料の構成分子を調整することで、吸着性能をコントロールすることができる点にあり、用途にあわせた材料の提供が可能である。

極性のあるVOCの吸着材料

アミン類の吸着能力、繰り返し使用時の吸着能

極性のあるVOCの吸着材料

応用例

・フィルタ(VOC排出装置、空気清浄機、物質分離等) 
・ガスセンサ

関連文献

[1] Cryst. Growth Des. 2020, 20, 4046–4053.
[2] Inorg. Chem. 2022, 61, 19890–19898.
[3] 化学工業 2022 73 389–394.
[4] https://www.youtube.com/watch?v=aIhjlBW9xqw

知的財産データ

知財関連番号 : 特許7325808、7325809号   
発明者    : 太田 俊、岩渕 由理香、向井 凌大
技術キーワード: 吸着剤、VOC、水素結合







発明案件一覧に戻る

ページトップへ