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発明案件

弘前大学技術
整理番号:K23-026

暗所下でも光照射下と同一の酸化反応を誘起する新規触媒

暗所下での過酸化水素の酸化が可能

概要

 光触媒は光照射下で酸化還元反応を誘起する材料である。特に、ダウンヒル反応(有害・汚染物質の酸化分解)に有効で、紫外光応答性の酸化チタン(TiO2)が既に実用化されている。しかし、TiO2光触媒技術は、太陽光スペクトルを踏まえると、対象が少量・低濃度物質に限定されており、暗所下では光照射下と同様の酸化分解処理は決して誘起されないという課題があった。  発明者は有機p-n接合体の光電極・光触媒として適用するための研究に取り組む中で、有機p-n接合体がチオールの酸化に対して, 暗所下でも触媒として作⽤(=デュアルキャタリシス) することを⾒い出した[1]。さらに, 鋭意研究を進めた結果, 有機p-n接合体中のp型半導体(FePc)が過酸化水素の存在下で酸化分解されることにより, その場で過酸化水素に対する助触媒を生じ, 結果として, 有機n型半導体によるデュアルキャタリシスの発現を見いだした。  デュアルキャタリシスは、TiO2には備わっていない新しい触媒作⽤である。有機p-n接合体および助触媒の選定により、環境浄化⽤途の触媒として、適⽤範囲及び市場規模の拡⼤が期待される。

Feが助触媒として作用し、暗所下でも過酸化水素を酸化

暗所下でも光照射下と同一の酸化反応を誘起する新規触媒

応用例

・環境浄化⽤途の触媒 
・酸化チタンの補完

関連文献

[1]J. Mater. Chem. A, 2017, 5, 7445

知的財産データ

知財関連番号 : 特願2021-090759  
発明者    : 阿部 敏之、佐藤 衛
技術キーワード: 光触媒、ダウンヒル反応、酸化チタン、過酸化水素







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