室蘭工業大学技術
整理番号:MU24-002
外気温に応じて水中で溶解と白濁を繰り返し発現する低分子化合物
温度応答型スマートウィンドウへの応用が期待
概要
溶媒に溶けている溶質が一定の温度(LCST)を超えると相分離する現象を示す化合物群が知られている。その代表としてポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAm)が研究されており、温度応答型スマートウィンドウへの適用事例が報告されている。しかし、PNIPAmのLCSTは31℃と一定であるため、より柔軟に外気温に応じたLCSTに対応できる化合物が産業上望まれていた。
発明者らは研究の末、新規化合物の合成に成功した。この化合物は、その構造の一部を改変させることで、LCSTを約25~55℃の範囲で制御可能であることに特徴を見出している。スマートウィンドウへの適用を考えた場合、その大半は電圧のON・OFFで透過・非透過を切替える方式のため電源を必要とする。一方で本件化合物を用いたスマートウィンドウは外気温の変化により自発的に透過・非透過を切替えるため、電源がない場所でも使用可能である特徴をもつ。さらに、光の透過具合に応じた熱のコントロールにより暑熱対策効果も期待がもてる。

性能・特徴等

応用例
・温度応答型スマートウィンドウ
・温度応答型フィルム
・温度変化を可視化する材料
・界面活性剤
関連文献
[1] JST新技術説明会、2024年10月1日発表「冷やすと均一に溶け、温めると分離して濁る水溶液とその応用」
知的財産データ
知財関連番号 : 特開2025-27996
発明者 : 馬渡 康輝、斉藤 駿介
技術キーワード: スマートウィンドウ、LCST、曇点、調光フィルム、相分離、サーモクロミック