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発明案件

東北大学技術
整理番号:T11-036

HDAC/PI3K 2重阻害剤

ナノオーダーで抗がん活性を有する低分子化合物

概要

 Histone deacetylase(HDAC)阻害剤及びphosphatidylinositol 3-kinase(PI3K)阻害剤は、有望ながん分子標的薬剤であるが、単剤使用での効果は限定的である。この2剤の併用は殺細胞効果の相乗作用をもたらす報告があることから、発明者らはHDAC/PI3K2重阻害剤の探索を行った。数百種類のPI3K阻害活性を有する化合物をスクリーニングしたところ、既にHDAC阻害剤として知られるロミデプシン(FK228)およびその類縁体にPI3K阻害活性があることを見出した。
 類縁体FK-A11は、前立腺がん細胞(PC-3)やHDAC阻害剤に抵抗性を有する大腸がん細胞(RKO、CO115)に対して、SAHA(HDAC阻害剤)とLY294002(PI3K阻害剤)の併用よりも高い殺細胞効果を示した。なお、この濃度においては、非がん細胞であるKMST6細胞は顕著な細胞死を生じなかった。
 また、脂質代謝に関わるLIPIN1遺伝子の抑制により、FK-A11の殺細胞効果、抗腫瘍効果が増強することがわかった。

HDAC/PI3K 2重阻害剤
HDAC/PI3K 2重阻害剤

既存薬併用よりも高い、ナノオーダーの殺細胞効果

HDAC/PI3K 2重阻害剤

関連文献

[1] Cancer Sci. 103(11) 1994-2001(2012)
[2] Cancer Sci. 106(2) 208-215(2015)
[3] Cancer Sci. 108(7) 1469-1475(2017)
[4] Cancer Sci. 112(2) 792-802(2021)

知的財産データ

知財関連番号 : WO2013/047509 (JP, US, FR, GB, DE)  
発明者    : 西條 憲、石岡 千加史、加藤 正
技術キーワード: 医薬(リサーチ・ツール)を含む







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