東北大学技術
整理番号:T11-056
大腸がん治療薬の応答性及び予後の予測方法
KRAS遺伝子変異のない患者群から治療効果を期待できる患者を選別できる
概要
大腸癌患者に対する抗EGFR抗体の投与指針として、患者腫瘍部位のKRAS遺伝子変異を検査し、変異のない患者のみ抗EGFR抗体を投与する方法が推奨されている。しかし、変異のない患者であっても治療効果が得られる割合は30%と低い。
そこで本発明は、抗EGFR抗体を投与すべき患者を選別する新たな方法を提供する。
①本発明の手順
②教師なしクラスター解析結果
③クラスターA群およびB群における抗EGFR抗体の治療効果
効果・応用例
大腸癌のホルマリン固定パラフィン包埋サンプルを用いて約2万の遺伝子発現レベルを解析し、その発現プロファイルを教師なしクラスター解析(unsupervised clustering)した結果、4つのクラスター(A1, A2, B1, B2)に分類された。また、クラスターA群とB群の間において、抗EGFR抗体の治療効果に顕著な差が現れた。このことから、治療対象患者の遺伝子発現レベルのプロファイルを事前に解析し、どのクラスターに所属するのかを把握することで抗EGFR抗体の治療効果を予測することができ、その結果に基づき抗EGFR抗体を投与すべき患者を選別できる。
知的財産データ
知財関連番号 : 特許第5967699号
発明者 : 石岡 千加史、高橋 信、井上 正広
技術キーワード: 医薬(リサーチ・ツール)を含む