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発明案件

東北大学技術
整理番号:T13-005

極低温固体粒子噴霧を用いた各種細胞の凍結方法

マイクロ・ナノ固体窒素粒子噴霧を用いて高速の凍結速度を維持し、細胞膜・遺伝子の損傷を回避することができます

概要

 極低温の微細固体粒子噴霧を用いて、超高熱流束急冷法を開発した。本手法により、細胞内氷核規模縮小と凍結保存剤等不純物の混入を極力減らすことが可能となり、一般的な液体窒素への浸漬のみを利用した細胞凍結法と比較して、細胞生存率の高い各種細胞の高速ガラス凍結保存法を確立した。
マイクロ・ナノ固体窒素粒子の有する超高熱流束冷却効果により、凍結保護液不要で、氷核生成を極力抑えることが可能となった。

極低温固体粒子噴霧を用いた各種細胞の凍結方法

結果

 固体窒素粒子噴霧を用いる場合、潜熱熱伝達による冷却の際、固体から液体に相変化する際の融解潜熱が付加され、液体窒素に比して12%程度冷却特性が向上する。さらに超音波振動子をノズルに設置することで、生成される固体窒素粒径を小さくすることが可能になった。粒子径が小さくなったことで蒸発しやすくなり、粒子凝集による膜沸騰状態をさらに形成しにくくし、固体粒子の高速蒸気相変化を利用した潜熱冷却が促進された。これによってA549細胞(ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞)のガラス凍結実験を行ったところ、従来方式(液体窒素浸漬)よりも細胞の生存率が約23%向上することを確認した。

知的財産データ

知財関連番号 : 特許6153110
発明者    : 石本 淳
技術キーワード: 医薬(リサーチ・ツール)を含む






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