可視光応答型TiO2光触媒コーティング
簡便、低コスト、審美性あり、密着力が強い
概要
従来、Tiを熱酸化処理させてできるのはルチル型結晶構造のTiO2であり、可視光照射下での光触媒活性は示さないと言われてきた。一方、TiO2にAuを添加することにより可視光域で光触媒活性を示すことが報告されている。
本発明は、貴金属(Au, Ag, Pt, Pd)を添加した貴金属-Ti基板を大気中で熱酸化[2]もしくはTi基板のAr-CO雰囲気で炭化後に大気中で熱酸化[3]させるという簡便かつ低コストな方法により、ルチル型もしくはアナターゼ型の結晶構造で、膜厚1 μm以下の可視光応答型の光触媒活性を有する貴金属含有TiO2コーティング膜を得ることを可能にした。その他本発明の特徴としては、表面の審美性があること、基材への密着力が強いことがある。
さらには、スパッタ等を用いて貴金属薄膜をコーティングした後のTiの熱酸化においても、貴金属含有TiO2コーティング膜を得ることができ、貴金属使用量の低減も可能である[4]。
Au含有TiO2による光触媒活性の可視光応答化と抗菌性発現
応用例
・可視光を当てて抗菌・抗ウイルスできる人工歯根
・ドアノブなど不特定多数が触れる部分へのコーティング
・審美性が求められる光触媒コーティング
関連文献
[1] https://www.youtube.com/watch?v=tSNgJQVkLLg
[2] https://doi.org/10.1002/jbm.a.36624
[3] https://doi.org/10.1016/j.dental.2020.10.009
[4] https://doi.org/10.2320/matertrans.MT-MLA2022006
知的財産データ
知財関連番号 ： 特許第6814473号
発明者 ： 成島 尚之、上田 恭介、上田 隆統志、佐渡 翔太、小笠原 康悦、伊藤 甲雄、金高 弘泰
技術キーワード： TiO2、 光触媒、 可視光、 ルチル型、 アナターゼ型、 コーティング