東北大学技術
整理番号:T17-036
リンパ行性薬剤送達
所定条件(浸透圧)の薬剤溶液を極微量投与することで顕著な抗腫瘍効果あり
概要
がんの主な転移経路として、リンパネットワークを介したリンパ行性転移が挙げられる。現在、転移リンパ節に対する化学療法としては、血管を介した静脈内投与が一般的である。静脈に投与された薬剤は末梢組織で毛細血管より間質へ漏出し、再び血管やリンパネットワークに再吸収される。 リンパ系は粒径の大きな物質を優先的に取り込む特徴があるため、静脈投与では、一般的に低分子である抗がん剤はリンパ系に送達されにくい。
リンパ行性薬剤送達では、リンパ節に直接薬剤を投与する。これにより、当該リンパ節だけでなく、リンパネットワーク下流に位置するリンパ節も治療対象にすることも可能になる。
本発明では、所定条件の薬剤溶液を用いることで、薬剤送達性等が高まり、顕著な薬効が得られることを見出した。
リンパ行性薬剤送達による抗腫瘍効果
応用例
・頭頸部がん
・乳がん
・他の疾患(がん以外)に対しての応用は、現在検討中
関連文献
[1] Cancer Medicine. 2019;8:2241–2251.
[2] Scientific Reports | 6:32506 |DOI:10.1038/srep32506
知的財産データ
知財関連番号 : WO2019/045005
発明者 : 小玉 哲也、森 士朗
技術キーワード: DDS、がん