免疫チェックポイント阻害剤
ミエロイド系免疫チェックポイントLILRB4を応用した創薬
概要
従来の免疫チェックポイント(CP)阻害剤(PD-1やCTLA-4阻害薬)は、がん免疫治療に革新をもたらした一方で、約4~8割の患者に効果が見られず、また自己免疫炎症などの副作用が問題となっている。ミエロイド系CP分子LILRB4(B4)はがんの免疫回避に関与しながら、自己免疫疾患の増悪にも関わるというユニークな性質を持ち、新たな創薬標的として期待されているが、そのリガンドは不明だった。本発明は、B4の唯一の生理的リガンドがフィブロネクチン(FN)であることを同定し、B4とFNの結合を阻害することで免疫制御が可能であることを見出し、これに基づく新規CP阻害剤に関する。
B4-FN結合阻害による免疫制御や活性化の手段として:
(1)FNアナログ(B4-FN結合を競合的に抑える)
(2)抗B4抗体(B4に作用して、B4-FN結合を抑える)
※ 抗B4抗体のPhase 1bまでのデータはX社が有し、提供可能(条件は要協議)
(3)抗FN抗体(FNに作用して、 B4-FN結合を抑える)) が想定される。
加えて、FN結合を阻害するB4のモノクローナル抗体を独自に作製し、B4をバイオマーカーとして肺がん患者の予後予測を検証できた(データあり)。

性能・特徴等

応用例
・B4と関連する自己免疫疾患、がん、炎症性疾患、アレルギー性疾患の治療薬
・がんの免疫療法の有効性を予測する診断薬
関連文献
[1] International Immunology, 2021; 33(8), pp. 447–458.
[2] International Immunology, 2022; 34(8), pp. 435–444.
知的財産データ
知財関連番号 : WO2021/029318
発明者 : 高井 俊行、乾 匡範、SU MEI TZUら
技術キーワード: 免疫チェックポイント阻害剤、 抗体、 がんの治療薬、 LILRB4、 ILT3