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発明案件

東北大学技術
整理番号:T20-338

電気伝導率はそのままに、熱伝導率を低減させたMG2SI熱電変換膜

高空孔率の均一な空孔を備えたMG2SI膜

概要

 廃熱から電気を取り出す熱電変換技術の開発が盛んに進められている。Mg2Siは、300℃程度の環境で熱電変換効率が最大になるため、産業排熱の利用に適した熱電変換材料である。
 しかし、Mg2Siは熱伝導率が高いため熱リークが起こりやすく、変換効率はさほど高くならないことが課題である(下式参照)。Mg2Si粉末をペレット状に押し固め多孔質体にすることで熱伝導率を低減させた報告もあるが、粒界の影響で電気伝導率も低下してしまうため、結果的に変換効率は大きくならない。
 本発明は、上記課題を解決するMg2Si多孔質膜に関するものである。

電気伝導率はそのままに、熱伝導率を低減させたMG2SI熱電変換膜

ハニカム状の高空孔率膜で低熱伝導率化

電気伝導率はそのままに、熱伝導率を低減させたMG2SI熱電変換膜

応用例

 本Mg2Si多孔質膜は、スパッタ膜等の通常のMg2Si薄膜と同程度の電気伝導率(~ 2 S/cm)を示すにもかかわらず、熱伝導率は一層の多孔構造でも11%低減する。そのため、多層膜化することで、300℃程度の排熱領域において、熱リークの少ない熱電変換デバイスが実現できる。

関連文献

[1] Chem. Mater. 2020, 32, 10176.

知的財産データ

知財関連番号 : 特願2020-145374   
発明者    : 山田 高広、藪 浩、松井 淳 
技術キーワード: 環境、エネルギー






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