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発明案件

東北大学技術
整理番号:T21-214

簡便にMo/Wを珪化する方法

自由形状の母材を処理浴に浸漬するだけで、800℃・15分で珪化膜を形成

概要

 Mo材は、高温で耐熱性に優れる材料として知られている。Mo材は高温で容易に酸化してしまうため、酸化防止のためのMoSi2保護膜を形成することが不可欠である。Mo材表面にMoSi2保護膜を形成すると、MoSi2表面にSiO2膜が生成される効果により、Mo材内部への酸化の進行を防ぐことができる。従来方法として、パックセメンテーション法が知られている。この方法は、安定してMoSi2膜を形成できるが、処理条件が1000℃以上・10時間以上と高コストであることが課題であった。
 本発明は、処理浴に母材を浸漬(例えば800℃・15分)するだけで、Mo/W材表面にMoSi2/WSi2膜(例えば30 μm)を形成する方法に関する。本方法の最大の利点は、処理浴への浸漬という方法を用いることにより、処理できる形状の制限が無い点である。脆いMoSi2/WSi2を加工するのではなく、母材を製品形状に加工した後に、処理浴へ浸漬させ珪化を行うことが可能である。本発明を施したMo材は、高い耐高温酸化性を示すことが確認されており(下表)、従来より簡便な珪化手法として有用である。

簡便にMo/Wを珪化する方法

耐高温酸化性

簡便にMo/Wを珪化する方法

応用例

・MoSi2、WSi2を用いたヒーター 
・MoSi2、WSi2を用いた抵抗器
・金属母材への受託珪化コーティングサービス

関連文献

[1] Surface & Coatings Technology, 2022, 448, 128938.

知的財産データ

知財関連番号 : PCT/JP2022/048247   
発明者    : 三木 貴博、ガムタン ジョナ ロンガキット
技術キーワード: シリサイド、コーティング、モリブデン、タングステン、耐酸化性







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