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発明案件

東北大学技術
整理番号:T21-234

液滴中タンパク質凝集核生成頻度評価法

アミロイド繊維生成の阻害剤スクリーニングに有用

概要

 種々の疾患の要因であるアミロイド繊維は、細胞内のアミロイド前駆タンパク質の液滴から発生している可能性が高いと考えられている。
 そのため、アミロイドの生成を抑制する薬の開発には、液滴からのアミロイド発生をハイスループット・定量的に評価する技術が重要であるが、これまでにそのような手法はなかった。
 そこで本発明では、液滴の蛍光染色と画像処理・統計解析を用いてアミロイドの発生速さを定量的に表す熱力学的パラメータである「核生成速度 J」(単位時間、単位液滴体積当たりのアミロイド核生成頻度)を短時間で計測する手法を提案する。このJは、これまでのアミロイド発生指標(lag time)に比べ実験システムに依存しない数値であり、候補物質のアミロイド発生阻害能をより定量的に評価できる。

想定される評価手順

1.アミロイド前駆タンパク質の液滴の作成(ゲル中・細胞中など)
2. 阻害剤候補物質とアミロイド染色試薬を添加しインキュベート
3. 画像解析(核生成に伴う蛍光強度時間変化、液滴体積)
4.統計解析のための数式をフィッティング
5. J値の算出、比較

液滴中タンパク質凝集核生成頻度評価法

アミロイド形成阻害探索の観点からの本技術の利点

【従来のアミロイド観察を液滴からのアミロイド核生成に適応した時】
・ 蛍光強度がプラトーになるのを待つ必要がある。※(本条件では 400 時間)
・ 経験的な仮定のもと蛍光強度の時間変化をフィッティングをして核生成を評価 (理論に基づいていない)
※T. P. Knowles et al. Nature Protocols, 2016.

【本研究】
・ 個々の液滴蛍光強度を見て統計的解析をするため、時間が短縮
(デモ実験では 30 時間。条件最適化でさらに短縮可能)
・ 核生成速度という熱力学的パラメータを直接計測可能
(阻害剤によるアミロイド核生成抑制について実験データあり。)

液滴中タンパク質凝集核生成頻度評価法

知的財産データ

知財関連番号 : 特開2023-104509
発明者    : 福山 真央、火原 彰秀、粕谷 素洋
技術キーワード: LLPS、スクリーニング、神経変性疾患







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