CSI収集が不要な自律分散型IRSシステム
ユーザの分布状況に応じた最適な電波環境を構築
概要
無線通信ネットワークを改善する手段として、IRS(Intelligent Reflecting Surface)が知られている。IRSはメタマテリアル素子を集積したデバイスであり、メタマテリアル素子を制御することで、デバイスに入射した電磁波を任意の方向に反射させることができる。これにより、遮蔽物の陰など電波が届きづらい場所にも有効な通信環境を提供することが可能となり、超高速通信を利用可能なエリアを拡張することができる。通常、IRSを制御するときにはCSI(Channel State Information)が必要となる。
しかし、IRSは受動デバイスであるため、CSIを収集するデバイスをIRSとは別に設ける必要があり、費用面や技術面の負担が大きいという課題があった。
本発明は、CSIを必要とせずにIRSを制御することができるシステムに関するものである。ユーザ装置からの情報(位置情報等)を取得して最適なコードブックを生成することで、自律的に電波の反射特性を制御する。特にユーザが局所的に分布しているような状況において、最適な電波環境を構築できることが大きな利点である。
性能・特徴等
応用例
・工場・倉庫内での電波環境の最適化
・オフィス街の電波環境の最適化
・その他、ミリ波通信における電波環境の最適化全般
関連文献
[1] IEEE Transactions on Vehicular Technology 2023, 72,11990.
知的財産データ
知財関連番号 : 特許第7280654号(対応する国際出願保有中)
発明者 : 川本 雄一、橋田 紘明、日比 龍平、加藤 寧
技術キーワード: 情報・通信(ソフト)、エレクトロニクス、情報・通信(ハード)