金属皮膜の密着性に優れた炭素繊維強化プラスチックを提供
金属被覆繊維強化プラスチックの製造方法
概要
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、軽量、高強度で耐食性に優れることから、幅広い分野で採用されている。しかしながら、CFRPは電気伝導率が低いことが知られており、例えば航空機の胴体に用いる場合には、落雷よる損傷の危険性がある。したがって、導電性を高める手法としてCFRP表面に金属皮膜を形成して導電性を高める対策(メタライゼーション)が期待されている。
メタライゼーションの手法として低温で施工可能であり、CFRPの損傷が少ないコールドスプレー法に注目されており、先行研究ではスズからなる金属被膜を形成する方法が検討されている[1][2]。しかしながら、スズ/CFRP界面の付着強度が低いことが課題であった。付着強度を向上させるために、添加剤の利用やCFRPの表面処理を行う方法が開発されてきたが、これらの方法はコストの面から工業的には望ましくない。
本発明は、前処理・後処理を必要としない簡易な方法により付着強度を向上させた金属被覆CFRPとその製造方法に関するものである。
従来法の2倍以上の付着強度が得られた
応用例
・航空機
・自動車
・その他:CFRP上への金属コーティング
関連文献
[1] Sun J, Zhou S, Yamanaka K, Ichikawa Y, Saito H, Ogawa K, et al. Thermal Effects in Sn Coating on a Carbon Fiber Reinforced Plastic by Cold Spraying. Journal of Thermal Spray Technology 2021;30:1254–1261. [2] Sun J, Yamanaka K, Zhou S, Saito H, Ichikawa Y, Ogawa K, et al. Adhesion mechanism of Sn coatings on the carbon fiber reinforced plastics using cold spray technique. Applied Surface Science 2022;579:151873.
知的財産データ
知財関連番号 : 特願2022-183535
発明者 : 山中 謙太、千葉 晶彦、SUN JIAYU、小川 和洋
技術キーワード: CFRP、コールドスプレー