高分子ナノコンポジット材料の評価手法
新規材料開発や最適な操業条件の設計に真価を発揮する
概要
高分子ナノコンポジット材料は、電池材料や有機薄膜材料、自動車のボディ等の様々な応用展開が期待され、開発が進められている。材料の製造には、溶融混練を利用する。高分子とナノ粒子の混合に際して、操業条件は経験的・探索的に設定されており、最適な制御法を効率よく見出すことは容易ではなかった。
本発明は、高分子ナノコンポジット材料にあらわれるナノ粒子の凝集状態を分類可能にする評価手法を提案する。コンポジット材料の構成要素とそのミクロ構造を観察することから、混練プロセスより得られる材料のふるまいについて評価が可能となった。この評価手法を指針にして、新規な高分子ナノコンポジット材料の開発や最適な操業条件の設計の道がひらけ、現場の業務効率改善につながることが期待される。
構造評価マップ図
応用例
・樹脂やCNT等と高分子のナノコンポジット材料の開発
・電極材料の開発
・適切な助剤の導入
・高熱伝導材料の開発
関連文献
[1] Takamasa Saito, Masaki Kubo, et al. The Journal of Chemical Physics, 159, 164708 (2023).
[2] Shin Usune, Masaki Kubo, et al. Journal of Chemical Engineering of Japan, 51, 492 (2018).
知的財産データ
知財関連番号 : 特願2024-031764
発明者 : 久保 正樹、塚田 隆夫、阿尻 雅文
技術キーワード: ナノコンポジット材料、電極材料、高熱伝導材料、溶融混練、助剤の選定、操業条件の最適化